暮らしを支える安全・安心のインビジブル・セキュア・プラットフォーム

立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)が推進する研究プロジェクトとして「暮らしを支える安全・安心のインビジブル・セキュア・プラットフォーム」(研究代表者:毛利公一准教授)が採択されました!

一目でコンピュータだとわかるものから,一見コンピュータとは無縁に見えるものまで,そして縁の下の力持ちとして見えないところで動くコンピュータも.今や我々の生活はコンピュータなしでは存在しえないと言ってよいほどです.もちろん,それらのコンピュータは全てソフトウェアによる指示に基づいて動いています.さて,このソフトウェア,本当にちゃんと動いてくれるものなのでしょうか?開発者さえ予想できない動作をして,我々の生活を脅かすようなことはないのでしょうか?

例えば,情報漏洩.我々の個人情報が企業や自治体からどこかに漏れてしまって,誰にどのように使われてしまうのかわからない!といった恐ろしさがあります.また,最近のかしこい機器は,我々の趣味嗜好を記憶しています.どんなホームページを見たのか.どんなファイルをアクセスしたのか.どんな番組を見たのか.どんなゲームをしたのか.どこへ電話したのか.どこにメールしたのか.これらの情報があるからこそ,かしこい機器は,利用者の興味のある情報を選別・提示することができます.我々は,結果的に,興味のある情報に容易にたどり着くことができます.しかし,もし,これらの趣味嗜好の情報が,簡単にネットワーク上に漏れて行ったり,誰かがUSBフラッシュメモリにコピーして持っていったりしたらどうでしょう?

本プロジェクトでは,特にこの情報漏洩を防止することを目的として,ソフトウェアの開発(ソフトウェア工学),ソフトウェアの生成(言語処理系),ソフトウェアの実行(オペレーティングシステム)の横断的な視点から問題解決に臨みます.ソフトウェア開発時に情報漏洩の危険性を評価し,プログラマに警告するソフトウェア開発支援システム.プログラマの意図をプログラムコードの中に的確に埋め込み,オペレーティングシステムにそれを伝えることができる言語処理系(コンパイラ),それに基づいて意図しない動作をしようとしているプログラムを検出したり,意図しないデータの流れ(情報漏洩)が発生しようとしていることを検出し,それらを防止するオペレーティングシステム.これらを実際に研究開発し,我々の暮らしを真に安全・安心なものへとしていきたいと考えています.

専任研究員(ポスドク)の募集<終了>

上述のような背景を持った研究ですが,特にデータフロー解析に強い研究員を募集します.分野的には,

  • コンパイラを中心としたシステムソフトウェア分野
  • ソフトウェア解析を中心としたソフトウェア工学

が対象となると考えています.

具体的には,プログラムが,ファイル(入力)のデータを読み込んでから,そのデータを別のファイルやネットワーク(出力)へ書き込んだり送信したりするまでの流れを追跡するための技術を確立したいと考えています.この追跡には,上記の分野の力が必要です.従来のOSのアクセス制御では,入力できるものは出力できるのが一般的でした.この技術が確立すれば,入力データの重要性によって出力の可否を判定するような,データセントリックなアクセス制御を実現することができます.

  • 博士後期課程の学生の受入れなども,ご相談ください.

参考URL

研究プロジェクト/終了プロジェクト/r-giro.txt · 最終更新: 2017/09/29 10:00 by 127.0.0.1
www.chimeric.de Valid CSS Driven by DokuWiki do yourself a favour and use a real browser - get firefox!! Recent changes RSS feed Valid XHTML 1.0